カテゴリー : 03 第三章 空蝉

五 ゲンジの手紙に煩悶する空蝉

(現代語訳)
 ゲンジの君は、弟を車の後ろへ乗せて二条院に帰った。昨夜の顛末を物語って、「お前は子供だ」と口を酸っぱくする。空蝉の仕打ちを爪弾きにして、恨み節だ。弟はやりきれず、黙り込むしかなかった。

 「こんなに嫌われているんだから、自分が嫌になるよ。逢いたくないんだったら、返事だけでもしてくれればいいのに。私は伊予のスケにも劣る甲斐性無しなんだ」

とゲンジの君は、ご機嫌斜めだ。空蝉が脱ぎ捨てた着物を抱きしめて不貞寝してしまう。弟を隣に寝かせて、相変わらずブツブツと恨み節が終わらない。

 「お前のことは好きだけど、私を足蹴にする人の弟だから、いつまでも面倒をみるわけにはいかないよ」

などと、真顔のゲンジの君に言われると、弟は目の前が真っ白になるのだった。ゲンジの君はしばらく突っ伏していたけど、眠れるはずもなかった。いそいそと硯を取り出して、書くまでもない手紙の代わりに、懐からチリ紙を取り出して、落書きのように一首したためる。

 抜け殻を残して消えた蝉なのに 忘れられないきみの人柄

と空蝉の着物を握りしめて書きつけた。弟は、そのチリ紙を懐にしまった。ゲンジの君は、軒端の荻にも手紙を贈ろうかと迷ったが、よくよく考えて用心のためにやめることにした。この薄い着物は、小袿という上着だ。空蝉の残り香が染みついているので、ゲンジの君は手元に置いて、哀愁たっぷりに見つめている。

 弟が家へ帰ると姉が待ち構えていて、きついお灸を据えるのだった。

 「昨日は何があったかわかっているの? 何とか逃げ切ったけど、誰かが見ていて変なことを想像したらどうするのよ。馬鹿なことばかりしているあんたを、あの方はどう思っているのかしら」

と容赦ない。弟は、どう転んでも文句を言われる不条理さに泣きたくなるのだが、じっと堪えてチリ紙を渡す。これだけは強情な空蝉でも読まずにはいられない。「私の抜け殻を持って帰ってしまったのね。漁師が捨てた着物のように萎れていたらどうしよう」などと胸騒ぎがした。身悶えがやまない空蝉だった。

 軒端の荻も、羞恥心いっぱいで西の部屋に帰った。誰も知らない密会だったから、一人で自分の世界に浸っていた。弟が家の中を行ったり来たりすると、胸が「きゅんきゅん」とするのだけど、いっこうに手紙は届かない。これが、女たらしのやり方だとは知る由もなかったが、細かいことを気にしない性格なのか、ぼんやりとした満たされなさを抱くだけだった。

 空蝉は精一杯に強情でいようとするのだが、ゲンジの君の滅茶苦茶なまでの愛情を思えば、ただ、「夫のいない昔の私だったら」と思うのだった。過ぎた時間を取り戻すことはできない。未来に流される運命が切なくて仕方ないので、チリ紙の端っこに、今の自分に相応しい歌を思い出して書いた。

 光り出す涙の露が隠されて 木の葉の下にはセミのヌケガラ

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四 ゲンジ、夜明けの退散

(現代語訳)
 ゲンジの君は、近くに寝ている弟を揺り起こす。弟は、はらはらしながら寝ていたので、すぐに起き上がった。戸をそっと押し開けると、年寄った女官の声がして、「あら、どなた?」と大声を張り上げたのだった。弟は「うるせえな」と思いつつ、「僕だよ」と黙らせる。それでも、「こんな夜更けに、どこへ行くんですか」と説教じみてきた。来なくても良いのに、わざわざ近寄ってくるので腹が立つ。弟は「何でもないよ。外の空気を吸っているだけ」と言いながら、ゲンジの君の背中を押して隠す。月が辺り一面を照らす夜明けだから、ゲンジの君の影が、すうっと浮かび上がった。老女は「もう一人は誰です」と問い詰める。弟が返事に窮していると、

 「ああ、民部さんなのね。背の高い人だからすぐにわかったわ」

と一人で納得している。長身のいつもからかわれている女官の名前である。老女は弟が民部を連れているのだと勘違いしているようだ。「すぐに、坊ちゃまも同じぐらいの背丈になりますよ」などと、戸口から出てくるのだった。ゲンジの君は「まずいことになった」と思いながら、廊下の入り口に寄り添って硬直している。老女が近くにやって来て、

 「あなたも今夜はお屋敷でしたの。私はお腹が痛くて下宿で休んでいたのよ。でも人手が足りないからって、夜になってから呼び出されたの。痛くて痛くて仕方ないのに」

と文句を言っている。返事などそっちのけで、

 「痛い、痛い。キリキリするの。また後で」

と外に飛び出してくれたので、事なきを得た。ゲンジの君は「やっぱり無謀な火遊びは危険を伴うものだな」と、少しは反省した様子である。

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三 空蝉の逃亡。ゲンジ、軒端の荻を襲う

(現代語訳)
 若い軒端の荻は、警戒もせずに「すやすや」と眠っている。その部屋に人の気配と、甘い芳香が広がった。空蝉が顔を持ち上げると、夏服を脱いで吊した仕切りの裂け目に、暗闇にまみれて匍匐しながら近寄ってくる変態の影が浮き彫りになっているのだった。空蝉は仰天した。パニック状態のまま、そっと起き上がり、薄い上着を一枚羽織って、すべるように逃げる。

 ゲンジの君が侵入してみると、女が一人で寝ていた。そっと胸をなで下ろす。床下には、女官が二人寝ている。女の被っている布を引っ張って近寄ると、この前より成長したような気もするのだが、ゲンジの君は空蝉だと信じて疑わない。だが、行儀の悪い寝姿に違和感を覚え状況を察したのだった。ゲンジの君は予想外の展開に何もかもどうでも良くなってきたが、人を間違えたと思われるのも悪趣味だし、それよりも、この女に疑念を持たれるのは危険だと諦めた。もはや、空蝉を追いかけることもできない。こうまで必死に逃げる空蝉である。この夜這いは絶望的だ。ゲンジの君は「私のことを気持ち悪い男だと思っているだろう」と赤面した。しかし、この期に及んでも、「この女が、あの灯りの向こうに見えた美人なのだから、まあいいか」と、女たらしぶりを発揮してしまうあたりは、とんでもない浮気者なのだった。

 軒端の荻が少しずつ目を開ける。こちらもあり得ない展開に驚いているようだ。不意の夜這いに可愛らしくしようにも、何の心の準備もできていない。恋を知らない子供だが、こましゃくれたところがあるらしく、妙に落ち着いている。ゲンジの君は自分の素性を隠そうと思ったが、「あの夜は一体何だっの」と軒端の荻が後で冷静に考えたら面倒なことになると思った。自分のことはさておき、冷酷な空蝉が、ひたすら世の中の噂を恐れているのが可哀想に思えたのだ。ゲンジの君は「今までの方位除けは、あなたに逢いたい口実だったのです」とか何とか適当なことを言って軒端の荻を口説く。嘘だと簡単にわかるのだが、自意識過剰な小娘には、それで充分だった。

 この男は、女たらしではあるが、今回ばかりは上の空だった。薄情な空蝉への未練だけが残る。「どこかに紛れ込んで、私のことを、恥ずかしい男だと思っているのだろう。こんなに負けん気の強い女が他にいるだろうか」と腹が立つのだが、心がモヤモヤして空蝉が忘れられない。それでも、軒端の荻の鈍感さと、花も恥じらう仕草が可愛いので、思いの限りを尽くして将来の約束などをしてしまった。

 「知れ渡った関係よりも、人目を忍んだ恋愛のほうが燃え上がると、昔の人も言っています。あなたも私を愛してください。私には世間の目がなきにしもあらずだから、思い通りにならないこともあるんです。伊予のスケやの紀伊カミだって、きっと許してくれないだろうし、それが心配で。きっと忘れないで待っていて欲しいんです」

などと口が自動的に嘘をつくのであった。軒端の荻は、

 「みんながどう思うか考えるだけでも恥ずかしいから、お手紙も出せません」

などと、しおらしく答えている。

 「そう。みんなに知られたら困るけど、この家の小さい公家の弟に伝令をさせましょう。二人だけの秘密ですよ」

とゲンジの君は念を押して、空蝉が脱ぎ捨てた薄い上着を掴んで脱出する。

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二 ゲンジ、空蝉と軒端荻を覗く

(現代語訳)

 入ってくるのが子供なので警備員も知らん顔だ。出迎えもしないから余裕で侵入できた。弟はゲンジの君を東側の入り口付近に立たせ、自分は南側の隅の部屋から高らかに戸を叩いて入って行った。室内の女官が「まあ、外から丸見えじゃない」とたしなめる。弟は、

 「なんでこんなに暑いのに戸を閉めているの?」

と聞いた。

 「昼すぎに西のお部屋から軒端の荻様がやって来て、碁を打っていらっしゃるのです」

と女官が答える。ゲンジの君は空蝉と伊予のスケの娘が向かい合って碁を打っている姿を、ぜひ覗いてみたいと思った。つま先立ちに歩き出し、すだれの間に身を隠す。弟が戸を開けたままだから、そのまま覗けるのだった。すり足で近寄ってみると、西日を浴びて良く見える。室内の屏風は畳まれていて、この暑さで目隠しの布も巻き上げられていた。

 人影の近くに灯りがあった。ゲンジの君は「居間の中柱に寄りかかっている女が空蝉ではないか」と、まじまじと見つめる。紫に染めた織物を着て、その上に何かをフワフワと纏っている。華奢な顔と小柄な体型の地味な女だ。顔は正面に座った人にも見られないようにしていて用心深い。もう一人は東向きに座っているから、丸見えだ。白い薄衣の夏服にキラキラとスミレ色の晴れ着を引っかけ、紅色の袴の結び目まで胸を露出している姿がだらしない。すべすべの白い肌がふっくらとしていた。背の高い人で、髪や生え際がサラサラ光っている。目や口元が可愛らしくて、男好きする顔なのだった。ふさふさの髪の毛は長くないが、先端や肩のあたりが艶めいている。非の打ち所がない美人である。ゲンジの君は「これは、親馬鹿に誉めるのも仕方ないな」と色めき立った。しかし「もう少し謙虚にしてもらいたいけどね」などとも思う。そんな軒端の荻も馬鹿ではないようだ。碁を打ってトドメを刺す時には賢そうな風でいて「きゃっきゃ」と笑う。奥に座っている空蝉は、

 「待って。ここは引き分け。こっちの、攻め込まれている方を」

と静かに言う。

 「いいえ。ここは私の負け。この隅はどうかな。ええと」

と軒端の荻が「十、二十、三十、四十」と指を折って数えている。たくさんある伊予の道後温泉の浴槽でも数えているつもりだろうか? 少し下品だ。空蝉はといえば、正反対に袖で顔を隠して人目を憚っている。それでも、ゲンジの君がじっと覗いていると横顔が浮かび上がってくるのだった。瞼が少し腫れぼったい気がして、鼻筋も通っていない。老け顔で、顔色も悪く、あまり可愛くなかった。それでもゲンジの君には、あばたもえくぼに見えるのか「落ち着きのある人だから」と、普通の美人の軒端の荻よりも気になって見とれてしまう。軒端の荻も、元気で茶目っ気たっぷりの美しい女である。くつろいで得意げに笑う顔にオーラがあり、誰が見ても良い女だった。浮気にも、ゲンジの君は「悪いスケベ心だ」と思うのだが、女たらしの血が騒いでしまう。

 今まで関わった女は、みんな、ゲンジの君の前では、そわそわしていて猫をかぶっていた。化けた猫ばかり見ていて、飾ることない生の女を覗いたのは初めてだ。それを知らずに覗かれている女達には申し訳ないが、このまま見ていたくて仕方ない。しかし、そろそろ弟が戻って来る頃だからと、見つからないように逃げた。廊下の扉の前に戻って寄りかかっていると、戻ってくる弟は「あんな所に立たせていて、申し訳ない」と思うのだった。

 「珍しくお客さんがいて、姉の側に近づけません」

 「また今夜も空振りで追い返すつもりか? それは非道いな」

とゲンジの君が文句を言う。

 「そんなことはありません。お客さんが帰ったら奇襲の出番を作ります」

と弟は答えた。今夜は期待ができそうだ。「子供だが、やる時はやるし、人の気持も心得ている。事情も察しているだろう」とゲンジの君は思うのだった。碁の勝負が終わったのだろうか、部屋の中から女官たちが散って行く音がする。

 「あの子はどこに行ったの?」

 「この戸に鍵をかけますよ」

と扉をガタガタと鳴らす。

 「寝てしまったようだ。さあ、中でうまくやってくれよ」

とゲンジの君が命令する。しかし、この弟は生真面目な姉に何を言っても無駄だと悟っているので、空蝉の側近が少なくなってから、ゲンジの君を連れて行って強引に襲わせるつもりなのだ。

 「紀伊のカミの妹の軒端の荻も、ここで寝ているのか? ちょっと覗かせろ」

とゲンジの君が言うと、弟は、

 「無理です。扉の向こうにはついたてが」

と答える。ゲンジの君は「それもそうだ。でも、もう見てしまったよ」と可笑しくて仕方ないのだが、可哀想な気がして黙っていることにした。「夜這いの時間になるのが待ち遠しい」とだけ言う。弟は、扉を叩いて、部屋の中へ入って行く。女官たちは寝静まっているようだ。

 「この入り口で僕は寝よう。涼しい風が吹かないかな」

と弟は、布団を敷いて横になった。女官たちは廂のある東の大広間に大勢で寝ているのだろう。先ほど扉を開けた小さな女の子も、向こうへ行って寝てしまった。弟は少しだけ寝たふりをしてから、灯りがともっている場所を屏風で隠して死角を作り、ゲンジの君をスタンバイさせる。

 ゲンジの君は「うまくいくだろうか。返り討ちに遭うんじゃないだろうか」と気が気でない。胸がドキドキして心拍数が上がってくるのだが、弟に手を引かれるまま、部屋に張り巡らされた布をめくり、細心の注意を払って侵入する。草木も眠った時間には、ゲンジの君が「ふわり」と立てる衣擦れの音さえ気になった。

 空蝉は、ゲンジの君が愛想を尽かしてくれて良かったと思うのだが、あの悪夢の中にあった淫靡な夜を、忘れられないでいる。安眠できず、昼は虚脱状態で、夜は不眠症だった。そして、一日中、放心している空蝉とは反対に、碁の相手をしていた軒端の荻は「今夜はここで寝かせてね」と、おしゃべりをしながら寝てしまうのだった。

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一 ゲンジ、煩悶す

(現代語訳)
 ゲンジの君は寝付けない。

 「ここまで女にコケにされたのは初めてだ。今夜は恋愛の厳しさを知ったよ。死にたくなっちゃった」

とぼやくので、弟も泣けてきた。その様子がとても可愛い。ゲンジの君は、弟を手探って撫でてやる。小さく華奢な体と、それほど長くなかった髪の毛、気配までもが空蝉を思い出させるから、いとおしい。いつまでも空蝉を探しているのも間が悪く、はらわたが煮えくり返るような夜を明かしているので、普段のように気を許して話すでもない。ゲンジの君が真夜中に出発するというので、この子も同情して切なくなっている。

 空蝉といえば、張り裂けんばかりの胸の内でいたが、ゲンジの君からの手紙が舞い込むことはなかった。「ダメージが強すぎたのね」と思えば、このまま自分が忘れられてしまうような気がして寂しくもなった。それでも、ゲンジの君が危険な恋のトラップを越えて通い続けるのは迷惑である。「最初から破綻していた恋だったの」と自分に言い聞かせるのだが、やはり抜け殻のようになっていた。ゲンジの君に至っては、性懲りもなく、「このまま時が解決させてしまったら取り返しがつかない」と焦るのだった。しかし、プライドもあるので、弟に、

 「失恋のショックで自己嫌悪しているんだが、忘れようとすればするほど狂おしい。私に奇襲の出番を作ってくれないか」

などと頼むのだった。弟は「面倒なことに巻き込まれた」と思いつつも、ゲンジの君が自分を頼ってくれるのが嬉しい。子供ではあるが、せっせと奇襲のチャンスを伺い、紀伊のカミが出張する日を押さえた。屋敷に残っているのは女たちだけだ。弟は、ゲンジの君を自分の車に乗せて、夕闇にまみれるように出撃した。ゲンジの君は「子供のすることだから」と心配なのだが、贅沢は言ってられない。迷彩服を身にまとい、「屋敷の門が閉じられる前に突破せよ」と急ぐ。見張りのいない門から侵入に成功すると、車を停めた。

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空蝉の帖 (系図と登場人物の年齢)

ustsusemi

空蝉の巻 登場人物関係図

|UTSUSEMI

主人公、ゲンジ十七歳の夏である。

これまでのあらすじ

 ミカドから寵愛をうけた桐壺更衣だが、玉のように清らかな御子を出産すると、いじめの心労からか逝去してしまう。この御子が主人公のゲンジである。彼は、この世の人間とは思えぬ美貌の持ち主なだけでなく、学問、音楽においても類い希なる才能の片鱗を顕した。

 桐壺更衣の死を悼み、廃人同然となっていたミカドだが、亡き人の生き写しとも思える藤壺女御の出現により再び生気を取り戻す。ゲンジは藤壺女御に亡き母への思いを寄せ、次第に一人の女性として恋心を募らせてしまう。元服し、左大臣の後見を得た源氏だが、正妻の葵上との関係は平行線をたどるだけで、ますます藤壺更衣への想いで胸を焦がす。

 宮私生児同然のゲンジだが、その美貌と才能を武器に後宮を騒がせる貴公子となった。人々は彼のことを「光り輝く君」と呼ぶ。

 物忌みの続くある日、ゲンジの部屋へとやって来た貴公子達は、恋愛談義に花を咲かせる。これが世に言う「雨夜の品定め」である。頭中将、左馬のカミ、藤シキブの丞の体験談を聞き、ゲンジは中流階級の姫君に興味を持った。

 翌日、ゲンジは方位除けに訪れた紀伊のカミの家で、地方官の伊予のスケの後妻である空蝉と関係を持ってしまう。空蝉はゲンジに憧れはすれども、これ以上関わってはいけないと悩むのだった。